TRUTH58:爆釣希望者必見!産卵前乗っ込み大爆釣シーズンのマル秘ノウハウ!! ~落ち鮎と関係なく河川内に残るシーバスを狙う!!~

この記事はThe Truth of Seabas ザ・トゥルース・オブ・シーバスコーナーの記事です。


今年の秋は、10月に入ったところで一気に気温が下がり始め、一気に秋の気候がやって来たという感じで、気分はすっかり「秋の乗っ込み狙い」という方が多いだろう。

そうなると、気になるのは「産卵前乗っ込み」で、海に出て荒食いを始めるシーバスの群れがどこにいるかで、河川内は一気に人気が無くなって来るのだが、本当にそれでいいのだろうか?

※ちなみに上のデータは、気象庁のHPで公開されているデータで、他のエリアの気温の推移は、下のリンク先からダウンロードできる。ご参考まで✋

《気象庁》過去の気象データ・ダウンロード

ということで、これからの秋の爆釣シーズンに向け、この時期の基本事項について、改めて復習しておこうと思う。


⬛シーバスの産卵期と産卵場所

シーバスの「卵」は浮遊性卵(岩とかに産み付けるのではなく、水中にぴゅ~っと放出され、漂った状態で精子を受精する卵)なのだが「社団法人全国豊かな海づくり推進協会 」が膨大な資料を基にまとめた資料「主要対象生物の発育段階の生態的知見の収集・整理」によると、シーバスの卵が確認された時期は、エリアによってかなり差があり、下記のような感じなので、気の早い個体によっては、下記の期間の大体1か月くらいから「産卵前乗っ込み」の荒食いを始めていると考えていいだろう。

《シーバスの卵の出現時期》

    • 東京湾:10~2 月(盛期 11~1月)
    • 若狭湾:12~2 月
    • 紀伊水道:9~3 月(盛期 12~1月),11~1 月(盛期 12 月)
    • 岡山県:10~1 月
    • 土佐湾:11~4 月
    • 熊本:12 月 10 日~30 日

上記のデータをみると、東京湾で言うと「産卵前乗っ込み」の荒食いシーズンが始まるのは、ズバリ「9月」だ。卵出現の「盛期」は「11月~」となっているので、「産卵前乗っ込み」の荒食いシーズンの「盛期」は、その1か月前の「10月」くらいだろう。つまり「9月」に産卵前乗っ込みが始まり「10月」に爆釣最盛期になるという事だ。

これは、私の過去の実釣経験とかなり当てはまるデータなので、東京湾の特に内湾エリア(大体、富津岬と観音崎を結んだラインよりも北側)では、今まさに「産卵前乗っ込み」の爆釣シーズンに突入していると考えられる。

そして、産卵直前の抱卵デブデブシーバスはどこに集まってくるのかと言うと「卵」が出現したエリアの近くだと考えられる。ちなみに、シーバスの卵が確認された場所の水温データを見てみると、下記のような感じだ。

《シーバスの卵が確認された場所の水温》

    • 東京湾:10.4~21.9℃(盛期 14~20℃)
    • 紀伊水道北部:10~18.2℃(盛期 12~17℃)
    • 紀伊水道南部:14.3~27.6℃(盛期 14~20℃)

《シーバスの産卵場所》
産卵場は,一般に地形的に入り組んだ湾入部,外海に面した内湾水と外海水との境界付近、外海側の高水温、高塩分域に形成されることが多い。各地の産卵場の特徴は次のとおり。

    • 仙台湾:岩礁域あるいは岩石がところどころに露出した凸凹が著しい場所で,水深 50~80m 程度の外洋に面した海域。
    • 東京湾・大阪湾:比較的外洋水の影響を受ける湾口部。
    • 若狭湾:外湾の外海に面した湾口部,急深な岩礁性の沿岸部
    • 紀伊水道:沿岸部の深所
    • 有明海:湾口部

《シーバスの産卵期》
産卵期は,いずれの地域でも水温の下降期および最低期にある。基本12月前後だが、北の寒冷地では、温かい時期に前倒しで産卵が行われ、南の温暖エリアでは1,2月の寒冷期に産卵が行われている事がわかる。

    • 岩手:8~11 月
    • 仙台湾:12 月中旬~1 月上旬,12 月上旬~1 月上旬
    • 犬吠崎:10~11 月
    • 東京湾:10 月下旬~2 月下旬,11 月上旬~3 月上旬
    • 大阪湾:11~2 月
    • 紀伊水道:12 月~1月
    • 土佐湾:11 月~4 月
    • 瀬戸内海中央部 10 月~1月
    • 瀬戸内海中西部:12~1 月
    • 豊後水道:12~1 月
    • 若狭湾:12 月下旬~1月中旬
    • 浜田:3~4 月
    • 有明海:11 月~3 月
    • 東海・黄海:1~3 月

東京湾で卵が最も多く確認された時の盛期水温は「14~20℃」となっているが、これはあくまで「産卵時の水温」に近いものであり、シーバスの産卵は水深数十メートルの深場で行われるので、産卵真っ最中のシーバスを陸っぱりやウェーディングで狙うのは、まず不可能なので、釣り師としては、その産卵場に向かっている最中の、ヤル気満々のシーバスの群れがどこに居るのかが一番の関心事となる。

ちなみに、仙台湾では「春~夏」は接岸して浅海域で生活し、「秋~冬」の寒冷期は水深 60m 付近を外海域に向けて南下移動しており、成魚は未成魚に比べて移動距離が大きく、瀬戸内海では未成魚より 2 倍大きく移動するとのことだ。

また、コレは私も知らなかったのだが、1980 年前後より広島県、熊本県、長崎県などの水産試験場でスズキの稚魚の放流試験を実施しており、茨城県、千葉県、静岡県、南伊豆でも放流試験を実施しているとのことで、平成 17 年度では、茨城県と広島県が
平均全長 30~35 ㎜のスズキの稚魚17 万尾を直接放流しているとのことだ。茨城エリアでスズキの実績をよくきくものうなずける。

日本の太平洋側では、大体どこのエリアでも、ある特定の水温ラインは、寒くなるにつれどんどん南下してゆく(つまり岸近くが冷たくなってゆく)のだが、産卵場に向かう途中の ” ヤル気満々のシーバスの群れの本流 ” は、ある特定の「●℃」の水温ラインに引っ張られる形で、湾口エリアに移動してゆくと考えると良い結果に遭遇出来る事が多いと考えている。

そういうヤル気満々のシーバスの群れがどこに居るのかを見つけ出す具体的案な方法については、以前当ホームページでも書いているので、下記の記事を復習して頂ければと思う。

★11-12月の爆釣ポイント発見のコツ:スズキの産卵回遊と水温の関係~●度の水温帯を追い回せ!!~

ちなみに、シーバスの卵が確認された場所のザックリとした特徴についても、先ほどの「主要対象生物の発育段階の生態的知見の収集・整理」に記載されているので、こちらに抜粋しておこう。どこでも、大体「外洋に面した湾口部」で卵が確認されているので、産卵場所もおそらくその近くなのだろう。

人によっては、産卵の為にわざわざそんな遠くまで移動せずに、もっと近場で産卵しているのではないか、という方も居ると思うが、ニホンウナギなんかは産卵の為に、日本から約3,000km離れたマリアナ諸島西方海域(マリアナ海溝の北側)まで移動して産卵しているし、ウナギの稚魚は、あんなにちっちゃいのに、その膨大な距離を日本まで戻って来ている事が確認されている

シーバスにとっては、東京湾の内湾エリアから、湾口エリアまでの移動など楽勝で、近所の産婦人科に行くくらいの感覚だろう。ちなみに、産卵回遊では無いが、東京湾内のスズキが湾口どころか相模湾まで回遊している事実も確認されている。

《シーバスの卵が確認された場所》

    • 松島湾:外海に面した沿岸の岩石帯
    • 東京湾:沿岸域および外洋水の影響の大きい湾口部
    • 舞鶴・宮津水域:与謝と舞鶴に挟まれた湾口部
    • 紀伊水道:北部域

・・・と、ここまでは、皆さんもある程度ご存じの内容だったのではないかと思うのだが、では「今狙うべきポイント」はそれだけなのだろうか?


⬛シーズンの変わり目の「移行期(10月)」の注意点 ~アユが海に落ちても関係なく釣れる河川がある!!~

10月に入ると、例年各地の都市部の運河や気水系の小河川などでも爆釣報告が多くなるが、当ホームページを閲読しているような猛者の皆さんは、干潟でのスーパーウェーディングや岩礁帯、根交じりサーフみたいな、コノシロやイワシ系のベイトパターンを中心とした「海」のポイントが気になる方が多いと思うが、実はシーバスは結構まだ川の中にも居る

周囲では「落ち鮎パターン」が話題になり、河川内はめっきり人気が無くなって来る季節なのだが、実は「落ち鮎」とは関係なく「ちょっと遅れて海に出るシーバス」が大量に居る場所があるのだ。今回は、そんなポイントについて解説してみようと思う。

さすがに、これだけ気温が下がってくると、完全淡水域でのシーバスの釣果は期待しにくくなって来るが、実は茨城の涸沼や北浦みたいな汽水湖や大型河川の中下流域なんかには、まだ多くのシーバスが残っている。

実際、先週私自身、涸沼や北浦に行ってみたが、ボコンボコンシーバスが大ボイルしていたし、荒川や旧江戸川の下流域では、むしろ夏よりもよく釣れている感じだし、もうちょい上流に遡った中川の八潮エリアなんかでも普通に釣れた。また以前、千葉の小櫃川の堰でも私は10月にランカークラスを含む多くのシーバスをゲットしている。

まぁ、荒川や旧江戸川の下流域なんかは、川と名前は付いているが、年中海水が入り込んでいて「ほぼ海」みたいなもんだし「鮎」以外にも、サッパやコノシロみたいなベイトが多いので、別にシーバスが爆釣しても驚きはしないが、他にも「落ち鮎」とは関係なしにシーバスが爆釣する河川は存在する。

しかも、こっちの河川は「落ち鮎」の動向と関係なく爆釣しているのに、すぐ近くの真横の河川は「落ち鮎」と同期してシーズンが終わるなんてことが毎年繰り返されている場所があったりする。なんで、こんな事が起こるのだろう???

そこで、気になるのは「シーバスはいつ川から出てゆくのか?」だ。更に、言うと「本当にシーバスは川から出て行っているのか?」だ。

この事を考える時、私自身が極めて重要だと考えているのは「鮎」と「エリア」の2点。イワシでも、コノシロでも、サッパでも無く、何故「鮎」なのか?また「エリア」が関係するとはどういうことだろう?

この点については、今まで解説されているのを見たことが無いし、コレを知っていると、人が居なくなった有名ポイントで、人知れず爆釣にありつけたりする盲点だったりもするので、覚えておいて損は無い話だと思う。

では、コッソリ・・・GoGo!!


⬛「落ち鮎」と関係なくシーバスが釣れる理由

ある程度経験を積んだシーバサーの方なら「9~11月」は「落ち鮎」のシーズンだという事は重々承知だろう。つまり「10月」は「落ち鮎シーズンド真ん中の真っ盛り」という事で、鮎が産卵のために海に落ちてゆくのを追ってシーバスも海に出てゆく事が多いと言われている。

確かに「鮎」の周年回遊の動きは、シーバスの周年回遊のパターンに大きな影響を与えていると、私自身は過去の実釣経験から確信しているが「落ち鮎」の動きについては、意外と見落としがちな盲点が存在していると考えている。

川によっては「落ち鮎」の動きとほぼ無関係に海に出て行くシーバスが多い河川が存在するのである。それは、どんな川だろう?そして、そんな河川では、シーバスの群れはいつ海に落ちて行くのだろうか??

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