オーナーばり

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フック界の革命児。
あくまで「釣り鈎」を中心に、モノ造りを続ける、こだわりの職人集団。

正式名称は「株式会社オーナーばり」です。

「オーナーばり」さんの製品への信頼性や素晴らしさは、今更あえて言わなくても、
皆さんご存知だと思いますので、ここでは少々違った視点から「オーナーばり」さんへの私の思いを
書いてみようと思います。

(メーカー公式ホームページは上記のロゴ画像をクリック)

創業当時の企業名は「オーナーばり本舗」。
ちなみに、ド競合企業の「がまかつ」さんの創業当時の名前は「蒲克鈎本舗」です。
「オーナーばり」さんは、創業当時から「カタカナ」と「ひらがな」の組み合わせが入っています。
細かい話しになりますが、個人的にはこの企業名称に、このメーカーの企業理念や
メーカーとしての姿勢が全て集約されている気がします。

「オーナー鈎」とか「OWNER」ではなく、あえて「オーナーばり」と、
カタカナとひらがなを組み合わせているところに、この企業の意思を感じます。

これは、あくまでいちユーザーとしての私個人の印象ですが、
ユーザーから見て「OWNER」では、何のメーカーさんなのか分かりません。
しかし「おーなーばり」では、カッコ悪すぎる。

しかも、ド競合の企業に「がまかつ」さんがあります。
こちらは全部ひらがな。

ちなみに「オーナーばり」さんが創業した1968年に、
「がまかつ」さんは、企業名を「蒲克鈎本舗」から「株式会社がまかつ」に変更しています。
おそらく、この時株式会社化したのではないでしょうか。

株式会社化するというのは、株式市場から金を集めて、会社の資金力を拡大するということです。
つまり、投資を拡大して、工場や社員数を拡大したり、新製品開発を強化する意思の現れです。
「オーナーばり」さんが創業した年に「がまかつ」さんは、そういう動きをしたということです。
ガチンコの戦いです。

当時の、2社の熾烈な戦いが想像できます。

また「蒲克鈎本舗」は「オーナーばり本舗」よりも、10年ちょい先に会社を立ち上げています。
つまり「オーナーばり」さんは、後発参入企業です。
(細かい創業経緯は分かりませんが、HPで公表されている資料だけをみるとそうなっています)

「オーナーばり本舗」が、釣り鈎業界に後発参入してきたタイミングで、
先行の「蒲克鈎本舗」は株式会社化して、投資を強化してきたという流れですね。
「がまかつ」さんの企業存亡をかけた、本気度を感じます。

この様な状況下で釣り鈎メーカーとして、後発参入するからには「先進的な技術力・開発力」は必須条件です。
おそらく「オーナーばり」さんは、そこに自信と拘りがあり、
当時の創業者と社員の方々は「先進的な技術力・開発力」に、自分たちの人生を賭けて起業し、
釣り鈎業界に戦いを挑んだのでしょう。

私は、「オーナーばり」さんが、あえて漢字やひらがなだけでなく、
「カタカナ」を企業名に使用したという点に「先進性・テクノロジー」への拘りを感じ、
” 自分たちはそれで食っていくんだ! ” という強い意志と、起業アイデンティティを感じます。

また、一方「オーナーばり」さんは、何故「オーナー鈎」や「オーナー針」ではなく、
「オーナーばり」と”ひらがな”を使用したのでしょうか。
正確な理由・経緯は、存じ上げませんが、私の個人的印象としては、
この、あえて”ひらがな”を使用した点に、この企業の「優しさ」を感じます。

漢字を使用した方が「職人気質」「本格感」みたいなイメージは出るかもしれません。
しかし、難しい漢字ではなく、幼い子供から、年配の方まで、誰でも読める”ひらがな”を敢えて使用しています。
私は、そこに、

「企業の独りよがりな意思よりも、ユーザー重視、ユーザーへの優しさ」

を大切にするメーカーの意思を感じます。

しかし、メーカーとして「職人気質」「本格感」は、必要なイメージでしょう。
それを敢えて企業名に担わせなかった点に、逆に私は、このメーカーの「製品への自信」を感じます。
よく考えると「職人気質」「本格感」は、本来「製品」というアウトプットで示すべきものです。
いいかげんな製品を店頭にならべていたら「職人が造っている本格的な製品」だなどと、誰も思わなくなります。

ということで、私は「オーナーばり」という6文字から、

①先進的な技術力へ賭ける思い
②ユーザー重視の姿勢/ユーザーへの優しさ
③製品・モノ造りへの自信

の3点を読み取りました。

①、③については、今更私が言うまでもなく、世界でもトップレベルだと思います。
実際、多くのルアーメーカーが、初期出荷時点で採用しているフックが、このメーカーのフックであることもその証です。

ここでちょっと、話は脱線しますが、多くのルアーメーカーが「オーナーばり」のフックを採用しているのは、
「オーナーばり」さんの、チャネル戦略も関係していると思います。

直接ユーザーさんに店頭でフックを売るには、釣具屋/ショップの「棚」にならべてもらう必要があります。
直接ユーザーさんに売るビジネスモデルは、マーケティング/コンサルティング業界では「B to Cビジネスモデル」と言います。
「B to C」とは「Buisiness to Consumer」の略で、会社どうしではなく、企業から一般消費者に売るビジネスモデルのことです。
この「B to C」モデルで勝つには、通販型のビジネスモデルを除き、釣具屋/ショップにおける「棚」の支配力がとても重要です。

この「棚の支配力」は、先行参入企業が有利です。
ザックリ言うと”先に取った者勝ち”という面があるということです。
しかも、相手は老舗の「がまかつ」です。製品や企業への信頼度も高く、
後から「棚」を奪うのは ” 相当な営業努力 ” と ” 製品のオリジナリティ ” が必要です。

そんな中「オーナーばり」は、株式会社化での資金力強化という経営戦略に並行して、
「棚」を奪うための ” 相当な営業努力 ” と ” 製品のオリジナリティ ” を強化すると同時に、
企業収益の第二の柱として「一般消費者」ではなく、
「ルアーメーカー」という「企業」を相手にする商売に踏み出したというのは、
これはこれで大変ですが、後発参入企業としての事業戦略としては正しい道のひとつだと思います。

ちなみに、「企業」を相手にする商売は「B to Bビジネスモデル」と言います。
「B to B」とは「Business to Business」の略で「法人顧客相手のビジネス」のことです。

ということで、多くのルアーメーカーが、初期出荷時点で「オーナーばり」を採用しているのは、
上記の様な「オーナーばり」側の、企業努力が大きく影響しています。
おそらく裏の ” 営業努力 ” には、” 熾烈な価格交渉 ” が含まれていたと思います。
一般に「B to B」の商売は、利益率がべらぼうに低くなります。まさに”薄利多売”の世界です。
しかし、まともなルアーメーカーは安いだけでは採用しません。
やはり、ここでも「製品への信頼度」は、とても重視されます。
ルアーメーカーとしても、フックに問題があった時に、
消費者から文句を言われ、製品への信頼イメージが損なわれるのは自分たちだからです。

おそらく「オーナーばり」さんは、一人でも多くの釣り人に自分たちのフックを直接買ってもらう努力をするのと同時に、
更に一人でも多くの釣り人に自分たちのフックを使ってもらう機会を拡大するために、
敢えて利益率の低い「B to Bビジネス」に足を踏み入れたのだと思います。

しかし、一方「株式会社」になると、投資家対策(IR対策とも言います)として、
「企業の利益の”率”だけでなく”総額”」と「それが毎期毎に拡大しているという事実」も重要になってくるので、
「B to Cビジネス」で行き詰まると、利益率が低くて大変な商売(本心では積極的にはやりたくない商売)でも、
「収益の総額」を大きくするために「B to Bビジネス」に踏み出す場合もあります。

「株式会社」化すると、会社の資金力は一時的に拡大できるのですが、
半面「常にわかり易い成長を、常に外部に見せ続けていかないとすぐに株価は下落する」
というマイナス面もあります。
投資家というのは、自分の金がかかっているにも関わらず、敏感であると同時に、意外と無責任です。

しかし「オーナーばり」さんの場合は、皆さんもご存知の通り、
店頭でもかなりの率で「オーナーばり」の製品を目にしますので、

「B to Cビジネス」で行き詰まったから、仕方なく「B to Bビジネス」で勝負に出たのではなく、
やはり「一人でも多くの釣り人に自分たちのフックを使ってもらう機会を増やしたい」という、
モノ造りをする人間なら誰でも思う、純粋な動機が大半だと思います。

ただ「自社の株価を高くする」努力が「不純な動機」かというと、そうでもありません。
「株価が上がる→企業価値が上がる→銀行がお金をいっぱい貸してくれる→新商品開発や先進的技術を導入できる」
という様な、私たちユーザーにとってもメリットのある結果が期待できるのです。

ちょっと専門的な話になりますが、実は「企業の株価」が上がっても、その企業に「現金」は入ってきません。
よく「オレはこの企業に投資しているから、この新商品にはオレの金の一部が入っている」と言う方がいますが、
それは間違いです。
株を買うために支払った現金や、株価上昇による差益は、証券会社や投資家の方に入っており、その企業には入りません。
投資家が投資した金は、証券会社の運転資金や、投資家の利益として回っています。
株価上昇による差益は、投資家の更なる運転資金や生活費、キャバクラやパチンコ代等の遊興費に消えている可能性が高いです。

「株価」が上がった時の、差額の利益(現金)は、株をやり取りしている投資家の方に入ってゆくのです。
(自社株保有率の高い企業であれば、企業にも入りますが)
基本的には「株」で企業に「現金」が入るのは「起業時」の瞬間だけです。

「起業後」における「株価上昇」の企業へのメリットは「企業価値の向上」という「信用力」です。
「株価上昇」は、その企業が「今好調である」という外部の評価の結果ですし、
「今後も伸びるだろう」という外部の期待感を現しています。そうなると銀行も、
いっぱいお金を貸してくれるし、貸したお金をすぐに返せと言ってこなくなるのです。

まぁ、「オーナーばり」さんにおける、この辺りの事情は、「オーナーばり」も今は株式会社なので、
「貸借対照表(B/Sとも言う)」や「キャッシュフロー計算書(CF)」が公開されているはずですので、
それを見れば「何でどの程度儲けているか」や「借金の状況」などもある程度分かります。
ちなみに「貸借対照表」の「左側半分」には「今の現金(資産)の状況」が書いてあり、
「右半分」には「過去に入ってきた現金の状況」が書いてあります。
そして「右半分」の上側には「過去の借金/負債(借りた金)」、
下側には「純資産(株主からの投資金(と、その運用益)+企業努力で過去に得た利益の貯金(内部留保))」
が記載されています。
機会と時間があったら「オーナーばり」さんの「貸借対照表(B/Sとも言う)」や
「キャッシュフロー計算書(CF)」も見てみようと思います。
マニアとしては、興味深いネタが満載だと思います。

多くの企業は、銀行から運転資金を借りているので、銀行から「お金をすぐに返せ」と言われるのは、
倒産の危機とまではいかなくとも「新製品開発」や「先進技術の導入」に支障をきたすことになるのです。
ということで、間接的には、メーカーが「自社の株価を高くする努力」というのは
「ユーザーのメリットを拡大するための努力」とも言えます。

そして最後に②の「ユーザー重視の姿勢/ユーザーへの優しさ」についてですが、
これについては「オーナーばり」さんのHPを見てみたら、同様の内容が書いてありました。

以下、「オーナーばり」さんのHPからの抜粋です。

海釣り仕掛け、投げ釣り仕掛け、釣り針、淡水仕掛けなど、釣具全般商品を製造。
オーナーばりはデザイン・技術への追求はもちろん、「こだわり」「アフターサービス」を徹底した釣具メーカーです。
釣り鈎専門メーカーとして培ってきたノウハウをもって妥協のない商品をお届けしたいと考えております。
豊かなフィールドで釣りができる喜びを大切に。

抜粋元はこちら

以上が、私が「オーナーばり」さんを好きで、皆さんにお勧めする理由です。

 


◎「オーナーばり」は「釣り鈎」だけでなく、他にも様々な釣具を開発・製造しています。
詳しくは下記のサイトをご参照ください。

「オーナーばり」製品一覧


◎「オーナーばり」には、通販ECサイトもありますので、こちらもご活用ください。

オーナーばりオンラインショップ


◎2017年フィッシングショーでの「オーナーばり」ブースへの来訪記もご参考に。2017年の新商品情報がありますよ!

ジャパンフィッシングショー2017「フックの話し」


 

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