突然ですが、皆さんウェーディング中に怖くなる事は無いだろうか?
勿論、オバケ系の気配で恐怖を感じることもあるが、私の場合オバケ系の恐怖を感じるのは、ウェーディング中ではなく、入水するまでの陸上での方が圧倒的に多い。
例えば、神奈川県横須賀市の「旗山崎公園」裏の岩礁帯なんかはその最右翼で、ここは夏場には潮位が高い時間帯に時合が来ることが多く、入水せずに陸っぱりから釣りをする事が結構あるのだが、夜中に一人で入水せずに岩場の上から釣りをしていると、すぐ背後にある鬱蒼とした茂みの中から、視線を感じて、その恐怖に耐えきれずに、別にウェーディングする必要もない潮位なのに、無理やり入水して、少しでも背後の茂みから遠のきたくなる。
三浦半島最南端の城ヶ島にある赤羽海岸なんかもその部類だ。また、千葉県勝浦市の八幡岬と勝浦灯台に挟まれた「石ケ浦」なんかも、釣り場よりも釣り場に辿り着くまでの過程が恐ろしい。
「石ケ浦」はGoogleなんかで調べても、あまり情報が出てこないので、一応地図を載せておこう↓
《石ケ浦の場所》(※出典:「勝浦観光マップ」)
まぁ、ここは昼間に行く分にはハイキング気分で行けるのだが、真夜中に行くとなると話は変わってくる。新月の夜などは、自分の手さえも見えなくなる位の暗闇の森の中の遊歩道を結構な距離歩いてゆかなければならない。しかも、途中には朽ち果てた祠(こほら)のようなものもある。
・・・と、オバケ系の恐怖話が続いてしまったが、今回書きたいのはそういう話ではない。「生き物」系の話。しかも、釣り場に行くまでの「道程」ではなく、まさに「ウェーディング中」の恐怖だ。
最近の日本では、温暖化により南国系の生物が日本の沿岸に入り込んでくる頻度が多くなってきているうえ、ペットの不法投棄により各地で外来生物が繁殖し問題になっている。
東京と神奈川の県境にある多摩川なんかは、その外来魚種の多さに「タマゾン川」と呼ばれるくらい多種多様な外来魚が棲息している。ちなみに、多摩川で確認されている外来魚を挙げてみると下記のとおりだ。
エンゼルフィッシュ、グッピー、レッドテールキャットフィッシュ、セルフィンプレコ、ノーザンバラムンディ、エンドリケリー、オスカー、ピラニア、スポッテッドガーパイク、レッドオスカー、チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)、アイススポットシクリッド、タイガーオスカー、アリゲーターガーパイク、テラピア、シルバーアロワナ、タイガーショベルノーズキャットフィッシュ、ネオンテトラ、プラティ、コリドラス、プレコ、アロワナ、オオクチバス、コクチバス、ブルーギル・・・
もはや、どこの国の川だか分からない状況だ。生態系という観点では大問題であるが、シーバサーとしては、百歩譲ってまだこれらの魚は、ウェーダーを履いて釣りをしていれば、むやみに襲われる事も無いと思われるので生命の危険を感じる事は無い。
今、私が最も恐れているのは「ワニ」だ。特に、汽水域にも生息する「イリエワニ」が恐ろしい。以前、オーストラリアのケアンズに行った際に、あまりに釣れそうな河口の干潟があったため、新規ポイント開拓の一環で、地元の釣具屋で、ウェーディングして釣りをしても良いのか聞いたところ、良い悪いではなく危険だからやめたほうがいいと言われた。
オーストラリアでは、河口に限らず、海のビーチでもイリエワニに人間が襲われて亡くなる事故が毎年起こっている。コイツがもし、千葉県の小櫃川や養老川の河口なんかに出没したら、ワンシーズンで何十人も犠牲になるだろう。
私なんかは、見渡す限り誰も居ない場所で新規開拓をよくするので、常にその恐怖と戦っている。特に、タマゾン川と言われている、多摩川なんかでは、いつイリエワニが出没してもおかしくないようにも思う。
イリエワニはワニの中でも、噛む力はトップクラスといわれ、地球最強の爬虫類とも言われている。ちなみに、イリエワニのスペックを下に記しておこう。
(※出典:wikipedia)
「イリエワニ」という、あまり聞き慣れない名前だが、上の写真を見る限り、かなり立派なワニだ。大人のサイズはシャレにならないサイズだ。しかも、寿命が70年もあるので、もし温暖化で日本の冬を越せるようになったら、70年近くその恐怖に怯える事になる可能性がある。。。
以前、私はウェーディング中にサメが足元まで寄り付いてきてゾッとした経験があるが(※この時の話は、こちらの記事をどうぞ→「ゴルゴ九死に一生。ウェーディング中にサメと遭遇!!神奈川県 湘南エリア(釣行動画満載!!オマケに良型カサゴもゲット!)」参照)、ウェーディング中にコイツと遭遇したらひとたまりもない💦
ただ「ワニ」は、日本でペットとして飼うには、かなり敷居が高い生き物でもある。まずなによりも値段が高い。種類にもよるが15万円~20万円くらいはするだろう。また、平気で1m以上のサイズになるので、飼育スペースには、余裕で1部屋(8畳前後)必要になる。
また、マジメに飼育するなら、紫外線灯や適正温度を保つ設備も必要になるので、初期の設備投資だけでも数万円かかる。更に、エサ代もバカにならない。
子供のうちは、冷凍のネズミなどを投げ込んでおけばいいが、大人になるとニワトリやウサギのような大型動物が必要になり、捕食シーンがエグいだけでなく、コストがとんでもなく掛かることになるので、飼育環境と維持費の面から、個人で飼育しようとする日本人は、なかなか居ないだろう。
更に、手続きも面倒。「ワニ」は「動物愛護管理法」で「人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物」として「特定動物」に指定されている為、都道府県知事の許可を得る必要があり「ワニ本人の写真」「生態販売証明書」を添付した上で「飼育許可の申請」を提出し、手数料で15000~17000円を払う必要がある。手数料だけで、ヘタな熱帯魚が買えてしまう。
更に、実際の飼育施設、飼育環境などが適切かどうか、目視確認してもらう必要があるため、ウソの申請をする事も出来ない。ちなみに、無許可で飼育しているのがバレると「6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金」だ。
最近は、ニシキヘビが逃げて大騒動になった事もあったが、ワニについては、購入時に個体識別のためのマイクロチップを埋め込む事が義務付けられているので、飼育していたワニが逃げたり、違法投棄した場合は、確実に足がつく。
・・・と「ワニ」については、日本ではペットとして個人が飼うのは、かなり難しい状況になっている事が分かり、私としては少しホッとしたが、まだ安心は出来ない。
ペットではなく「自然に生息」してしまう可能性は無いのだろうか?
実は、日本国内では「自然に生息」したワニが発見された事が、昔から何度もある。ちなみに、この「ワニ」とは「イリエワニ」だ!!💦
近いところでは、2017年10月31日、11月3日に、鹿児島県の加計呂麻(かけろま)島で野生のイリエワニが捕獲された。この島では1974年10月30日にも野生のイリエワニが捕獲されている。
このワニは、元々日本に居たワニではなく、フィリピン等の東南アジア辺りから海を渡って来たのだろうと推測されている。こういう野生のイリエワニの漂着事案は、沖縄県の西表島や奄美大島周辺の島々でも確認されている。
これだけを見ると、イリエワニが漂着するのは、日本国内でも南方エリアなので、関東圏は大丈夫かなとも思うのだが甘い。なんと!調べてみると、三重県沖合や八丈島なんかでも、イリエワニの漂着事案があった。
これらの「イリエワニ」は、黒潮が沿岸近くに寄っているエリアで多く確認されていることから、フィリピン辺りから黒潮に乗って移動して来ている可能性が高いと言われている。
関東で黒潮が沿岸近くに寄っているエリアといえば、伊豆半島や房総半島の南端エリアだ。黒潮の蛇行具合によっては、黒潮の支流が三浦半島や東京湾口まで接近してくる年も結構ある。
少なくとも八丈島までは確実に来た事例があるので、黒潮やその支流の流れに乗って、イリエワニが私の釣行エリア内に漂着する可能性はゼロとは言えないだろう。
エイ対策については「エイガード」なるものが販売されているが、さすがに「ワニガード」や「サメガード」みたいなものについては、あまりに開発コストがかかるうえ、需要が少なすぎるので、誰も開発してくれないだろう。
あぁ、オバケよりも、ワニの方が怖い・・・💦
(出典:「海上保安庁発行『海流推測図』」)
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