今年(2018年)は秋・冬も東京湾の状況は異常!?

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どうも。せっかくの大潮の3連休に、ノロっぽいウィルス性胃腸炎で、グロッキー気味のゴルゴ横山です。しかし、気持ち悪かろうが、お腹がピーピーだろうが、気になるのは釣りのこと。今日は間違いなく、どこかで、誰かが爆釣に遭遇していることだろう(;_;)

近、急に冬の寒さがやって来たように思うが、そろそろスズキの産卵回遊の動向が気になって来た方も多いだろう。ちなみに、スズキの産卵回遊についての一般的な話は、以下の3つの記事もご参考になるかと思う。

11-12月の爆釣ポイント発見のコツ:スズキの産卵回遊と水温の関係~●度の水温帯を追い回せ!!~

各地におけるスズキの産卵に関する情報のまとめ(産卵期、産卵場所、産卵水温)

12-2月の真冬のスズキの群れの追いかけ方(産卵~バチ抜け期)

ただ、今年は1つ気になることがある。それは「水温」だ。今年の夏は異常に水温が高い日が続き、日本近海の水温は全国的に例年よりもかなり高くなっていた。

今年の異常な夏パターンと台風後の攻め方

その影響もあり、日本近海の海水温は、今の時期になっても例年よりも高い状況が続いている。下のグラフは気象庁のHPで公表されている「11月21日から12月20日までの海面水温・海流1か月予報」に掲載されている水温グラフだ。(※出典:https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/kaikyo/ocean/forecast/month.html#sstseries)

上記のサイトでは、下の様なグラフが掲載されており、グラフの左に示された「1~10」の海域で平均した海面水温の時系列データが示されている。青い線は実際の海面水温の推移で、 赤い太線は今後予想される海面水温の推移、細い赤線は平年の値を表している。

「3」の日本海側は、12月頃から平年よりも水温が低くなり、「4」の北関東~東北エリアの太平洋側は、12月頃から平年並みに戻るという予想がされているが、それ以外の地域は、どのグラフも赤点線よりも上にグラフが推移しており、全て平年よりも水温が高くなる予想となっている。


下に掲載したリンクの記事でも書いたが、私自身は、スズキの産卵回遊は「日照時間」と「水温」が強く影響を与えていると考えている。どういうことかというと、スズキが産卵場に向けて大回遊をスタートさせる「スイッチ」は「日照時間がある程度短くなる事(つまり、昼間の時間が短くなる事)」であり、産卵場への移動の「目標」は「水温」だという仮説である。詳しくは、下記の記事をご参照頂きたい。

11-12月の爆釣ポイント発見のコツ:スズキの産卵回遊と水温の関係~●度の水温帯を追い回せ!!~

ということで、私にとっては、特に「11月~12月」の東京湾の水温傾向は、とても気になるデータとなるのだが、上の「海水温予測」のデータは、東京湾は「3、4、6、7」エリアの境目付近に位置するため、エリアの区切りの位置が極めて微妙でよく分からない。

そこで、神奈川県水産技術センターがHPで公表している「東京湾口海況図」(下のリンク先)より、過去5年分の「11月21日」のデータを見比べてみた。

海況図データベース

とりあえず、下に掲載した過去5年分の東京湾の水温分布の違いを見てみて欲しい。


■2014年


■2015年


■2016年


■2017年


上記の図をザックリ見てみると、過去4年(2014~2017年)は「観音崎」と「富津岬」を結んだ直線「KHライン」よりも北側には「16~17度台」の数字しかほとんど見られない。

この時期、このエリアは、冬に向けて水温がどんどん低下してゆく時期なので「17度ライン」がどんどん南に移動してゆく時期でもあるのだが、私自身はこの「17度ライン」の位置がどこにあるかが、スズキの群れの本流を探し出すヒントになると考えている。

では、今年2018年の「11月21日」の水温分布はどうなっているのだろうか。以下をご覧頂きたい。


■2018年


オーマイガー!!

なんと「19」の文字だらけだ!KHライン周辺には「20」の文字も見える。一応、最近のここ数日の過去5年分の水温分布の違いも確認してみたが、いずれも今年は過去5年で最高の水温となっていた。

しかも、上の水温分布図では、過去5年では「16~17度台」だったエリアが、今年は「19度台」になっているので、ザックリ言うと、例年よりも「2~3度」水温が高いということになる。

ちなみに、ここ数年の東京湾の水温動向をザックリみてみると「19度台」というのは、大体「10月」の水温だ。つまり、今年は「1ヵ月」ズレている。

もし、私のスズキの産卵回遊理論仮説が正しいなら、スズキの群れの本流は、既に産卵場所に向けて産卵回遊をスタートさせているが、その群れがどこにいるかというと、まだKHラインの内側をウロウロしているということになり、例年の爆釣ポイントに関する経験則が当てはまらない事になる。これは、かなり由々しき事態だ。

例年であれば、そろそろ東京湾奥のポイントからはスズキの群れは居なくなり、盤津干潟のミオ筋ポイントでは、爆釣とボウズの日が混在するようになり、釣果がが不安定になってくる時期でもあるのだが、今年は今の所「行ってみないと分からない」という状況だ。

私自身は、今年は盤津干潟のミオ筋ポイントは、あまり入っておらず他のポイントの開拓に専念する事が多かったので、実際の状況が分からないが、皆さんの釣果実感はどうだろうか?

近年、地球の温暖化がよく話題になるが、もしこの傾向が来年以降も続くようなら、今年の釣果データは、今後を占う意味で特に重要になるだろう。ビジネスの世界でも近年「過去の成功パターンが通用しなくなってきた」という話題がよく出るが、釣りの世界でもそんな話題がこれから増えてくるかもしれない。

ただでさえ、立ち入り禁止ポイントが増えてきて、釣りが出来る場所自体が減ってきたのに、残された釣り場では、釣れるパターンが変わってくるとなると、もうどうしていいのか分からなくなる。面倒な時代になってきたものだ。

お互い、めげずに頑張ろう!!


 

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