ところで、当サイトには「知泉ブックセンター」というコーナーがあるのだが、皆さんご存知だろうか？
私が記事を執筆する際に参考にしてきたオススメ図書をご紹介するコーナーだ。そこで紹介している「みんなの意見 は案外正しい」という本は、皆さん既にお読みになっただろうか。最近は、スマホやＳＮＳをいじる時間が大幅に多くなり、すっかり本を読まなくなったという方も多いのではないだろうか。しかし、たまにはこういう本も読んでみると、思わぬ発見があると思う。
なんだかくだけた言葉遣いの題名だが、かなり深い内容を扱っている。この本は「ある物事を判断するとき、優れた個人や専門家の判断と、大衆の判断では、どちらが優れた判断となりうるか」という事について、いろいろな事例を通して研究・考察した本だ。
沈没した潜水艦の捜索や、瓶に入ったジェリービーンズの数当てゲーム、リナックス等のオープンソースやグーグルの検索エンジンの仕組み、ウィキペディアや実験経済学等の様々な事例を調べることで「最も優れた個人や専門家の判断」は必ずしも「優れた判断」にはならない事を示している。釣りの世界でも、雑誌の記事を書いている人間は、ある程度その釣りに詳しい人間が書いているが、そこに書かれている内容が正しい結果を導くとは必ずしも言えない事が多い。もっと言えば、実際の釣り場では、専門家の推測などあてにならないことの方が多いのではないだろうか。少なくとも、私は未だに失敗だらけである。
この本では「適切な状況下では、能力や知識にばらつきが大きい多様な人々の集団こそが、世の中で最も優れた“個人”よりも、より優れた精度の高い結論を導く事がある」事を示している。ここでいう「適切な条件下」とは、どんな条件かは本書をお読み頂ければ分かる。
ひとつ例を挙げると、ある数学の問題で正解が「０」だったとしよう。ここで、その問題を頭の悪い４人の生徒に出したところ、生徒たちは問題が全く解けず、どうしようも無いので勘で答えを書いた。その後、先生が生徒たちの答えを見たら、当然のごとくバラバラな答えが答案用紙に書いてあった。ある生徒は「－１」、またある生徒は「１」と回答し、中にはとんでもなく外れた「－１００」や「１００」と答えた生徒がいた。しかし、これら４人の生徒の回答の平均をとると「０」になり、それはまさしく正解に一致していた。
上の例は私が考えた単純な例だが、極めて示唆に富んでいると思う。これら４人の生徒の回答の特徴は「極めてバラバラ」で「正解を導き出した生徒は一人も居なかった」だ。しかし、全員の回答の平均は正解に一致している。また、このケースでは、とんでもなく外れた「－１００」と答えた生徒も居たが、仮にこの生徒がいなかったら、残りの３人の回答の平均は正解とは一致しなくなる。つまり、この「もの凄く外れた意見を主張した人間」や「正反対の意見を主張する人間」は、集団の答えを正しいものにするためには必要不可欠なものであるということだ。多様な意見を持つ集団の意見を取りまとめると、個々人が知りえない真実が見えてくる場合があるということである。
詳しくは、この本を読んで頂きたいが、ここで言いたいことは「釣りで悩んだら、出来るだけ多様な人の意見を聞いたほうがいい」ということだ。それも、上級者から初心者までいろいろな種類の人の意見を集めることで、一人のプロフェッショナルの意見に頼るよりも、より精度の高い結論を導ける可能性が高いということである。特に、複雑で難しい事柄の予測においては、少数の専門家の意見、よりも大衆の判断の方が遥かにに “ 当てになる ” 。そんなこともあり、私は
というコーナーを作り、皆さんのご意見を収集＆公表しようと思ったわけである。
皆さん、是非、下記のアンケートにご回答くださいませ。このアンケートには質問は１３問あるが、たいして難しいことは聞いていないので、おそらく２－３分もあれば回答できると思う。質問の内容自体は、ものすごくザックリしたものばかりだが実際の釣りで悩むことが多い項目でもある。
ここに、多様な皆さんのご意見が集まることで、どんな時に、どんなルアーが効くかや、どんなポイントが釣れる確率が高いのかが見えてくると思う。今すぐ、レッゴー！！
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