
この記事は「Petit Insight of Seabass プチ・インサイト・オブ・シーバス」コーナーの記事です。
(この画像はイメージです)
⬛はじめに
ここのところ急に涼しくなって来て、完全に秋の気配となってきて、昼も夜も気持ちのいい釣り日和が多くなって来たが、この「急に涼しくなって来た」という時は、ある意味要注意でもある。
そう、このホームページの会員さんならすぐにピンと来るであろう、毎年恒例、東京湾奥のエリアの秋の風物詩ともいえる、恐怖の「青潮」だ。「青潮」に関する情報は、過去何度も当ホームページで掲載してきたので、ご興味のある方は下のボタンのリンク先の記事をご覧頂ければと思う。
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また、今回の記事では、青潮の原因になる「貧酸素水隗」に関するデータを使っているのだが、この貧酸素水隗の分布に関する全ての観測・予測のデータ・図の出典は千葉県が公表していいる「貧酸素水塊分布予測システム」によるものだ。
⬛10月3日現在の貧酸素
下の画像は、昨日(10月3日)の東京湾の「貧酸素水隗」の分布予測を図示したものなのだが、濃い青のエリアは酸素濃度がゼロに近くなっている事を示している。

上の画像を見る限り、多摩川河口と小櫃川河口付近を結ぶアクアラインよりも内側の内湾域は、海の生物にとって、酸素がゼロに近い「死の海」になっていて、魚なんか全く居ないようにも見えるのだが、餌釣りなんかでは、実際、アジやイワシ、コノシロ、サッパなんかの釣果が出ている。
この手の、内湾エリアのベイトの釣果情報を手っ取り早く知りたい方は「若洲海浜公園海釣り施設」や「検見川突堤」「ディズニーランド裏」辺りの釣果情報を検索してみるといいだろう。
一例として、下にアクアライン以北の内湾エリアでイワシが釣れた情報のリンクを貼っておいたので、興味のある方は見てみて欲しい。
東京湾(アクアライン以北)で釣れたイワシの釣果情報
これらの釣果情報を見る限り、下の画像の真っ青な「貧酸素エリア」でも、個人ごとの釣果の凸凹はあるにせよ、シーバスのベイトになるような魚は普通に釣れているようだが、ホントのとこどうなのだろうか?この千葉県が公表しているデータは大間違いの情報なのだろうか???
⬛「貧酸素水隗予測」データ活用の注意点
この貧酸素水隗の分布図は、私自身「夏~秋」にかけて、ポイント選択の際によく参考にしているのだが、実はこの図の使い方には注意が必要だ。ひと口に「東京湾」と言っても、海には「水深」があり、水深によって酸素濃度は天と地ほどの差が出る事がしょっちゅうあるのだ。
大まかには、酸素濃度は「水深」と「水温」によって大きく異なる値を示す。基本的には「表層」は直接空気に触れているので、海に溶け込む酸素が多くなるので酸素濃度が高くなる。
また、一般に気体は水温が低くなるほど液体に溶け込みやすくなるので、海が冷たくなる程、海に溶け込む酸素が多くなるので酸素濃度が高くなる。つまり「冬の表層」が一番酸素濃度が高くなるのだ。
但し「台風が来た時」なんかは、海水がかき混ぜられて、上層から低層まで、海水温が一気に10度近く下がる事があるし(※参考「台風の接近に伴う水温変化について」)、初秋の時期は、急激に気温が低下して表層水温が一気に下がって、表層の海水が重くなって(水は冷たくなると重くなる)低層に沈んでゆき、それに押させるようにして、低層の海水が表層に押し上げられてくる・・・みたいな事が毎年起こっている。
つまり、上の貧酸素水隗の予測分布図を参考にする際は、この分布図が「どの水深の貧酸素水隗の分布を示しているのか?」を理解していないと、大ハズシしてしまう可能性があるという事だ。
シーバスという魚は「ベタ底」にも居るし「水面付近」にも居る事があるので、ヒラメやマゴチなんかと違い、上下移動が比較的頻繁に起こる魚なので、仮に上層又は低層に貧酸素水隗があったとしても、シーバスは比較的容易に酸素濃度が高い水深に逃げる事が出来るので、貧酸素水隗がある「水深」が分かって居れば「上層をフローティングミノーで攻めるべきか、低層をジグやバイブレーションで攻めるべきか」を判断するヒントになる。
あと、もう1点注意が必要なのは、上の「貧酸素水隗の分布図」は、あくまで「予測図」であり、結構な「誤差」があるという点にも注意が必要だ。
★注意1:貧酸素水隗がある水深はどの深さか?
★注意2:貧酸素水隗の分布図はどの程度信頼できるのか?
これらの注意点については、ちゃんと「貧酸素水塊分布予測システム」のホームページを読み込めば、ある程度の説明は書いてあるのだが、そんな小難しい説明を読む気が起こらない方も多いと思うので、今回はそれらの点について、嚙み砕いて説明してみようと思う。
この「貧酸素水塊分布予測システム」のサイトで公開されている分布図は、とても役に立つので、間違った使い方をしないように、これを機会に是非ちゃんと理解しておくことをおススメする。
それが分かると、この予測システムに振り回されて、爆釣機会を逃してしまうような失敗をしなくなり、真っ青な「貧酸素エリア」で、アジやイワシ、コノシロ、サッパなんかの釣果が出ている理由も理解できるようになる。
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