かつて、ソルトアンドストリームという雑誌で連載をしていた時、このルアーを紹介したことがあるので、覚えている方もいるかもしれないが、おそらく地球上でこのルアーを、カラーコーナーで紹介したのは、私が最初で最後だろう。雑誌のカラーコーナーでは、広告が入るメーカーのルアーの露出が優先されることが多いというのは皆さんご想像の通りだが、そういう事情を抜きにしても、このルアーは質があまりに悪すぎるのだ。そういう意味では、このルアーを紹介させてくれたソルトアンドストリームという雑誌は凄い雑誌だ(笑)
当時は量販店のワゴンセールなんかでよく見たが(というか、ワゴンセール以外では見たことが無い(笑))、今や新品を手に入れるのは至難の業かもしれない。メーカーのホームページにも、もう出ていないので廃盤の可能性が高い。
知らない方は、Google等で検索してみよう。中古では300円前後で手に入るのではないだろうか。値段からも想像がつくとおり、ハッキリ言ってこのルアーは一般的概念としては粗悪品の部類に入るのではないだろうか。
サイズは、9Cmと7Cmのサイズで、シンキングとサスペンドの二種類。しかし、これはパッケージにそう書いてあっただけで、信じてはいけない。サスペンドと書いてあっても実際海に投げ込むとシンキングだったりすることもしばしば。更にいうと、サスペンドだか、シンキングだかどっちとも言えないような微妙なやつもあったりした。要はパッケージに書いてあることは、サイズ以外は信用できず、現場で使ってみるまで分からないというロマン溢れるルアーだ。
ちなみに、カラーはアルミやホログラム系のキラキラ物と、驚くことにアワビ貼り系の色もあった。しかし、期待通りこのアワビ貼りがまたパチモノ臭いカラーで、安っぽさぷんぷんのアワビ貼りだった。アクションは派手なウィブリング系の動きで、バタバタ泳ぐ。
で、なんでこんなルアーを紹介するかというと、めちゃくちゃ釣れるから。もはや、シンキングかサスペンドなのかということは気にならなくなるくらい良く釣れる。造りのいい加減さや、カラーの安っぽさもどーでも良くなる釣れっぷりだ。
一応、ネットで検索してみたら、中古ショップではまだ手に入りそうな気配なので、もし見つけた方は騙されたと思って一度使ってみて欲しい。仮に、騙されたとしても、財布はそれほど傷まない値段だろう。私はサスペンドタイプが好きで、ワゴンセールで見つけると、大量に買いあさった時期があるので、いまだ未開封の新品を持っていて、現役で使っている。ちなみに、泳ぎの良さも個体差がある。何個か買えば、当たりがあるかもしれないが、まぁ、このルアーに関しては、そんな細かい事は気にしなくていい。
先日、Golyoko Blogで「お店にはいいルアーがいっぱいは幻想」という記事を掲載したが、
このミミックミノーは、工業製品としては ” 悪いルアー ” だ。上記の記事では、工業製品的評価の観点から「お店には、いいルアーがいっぱいは幻想」と書かせて頂いたが、必ずしもそんなルアーには存在価値が無いかというとそうではない。釣り師にとっては例え工業製品として粗悪品であり、メーカー側がいい加減に作っていたとしても、釣れるルアーは ” 良いルアー ” だ。まぁ、確かにこのルアーが1000円以上で売られていたら「ふざけんな!!」と言いたくなるが、こういうルアーを置くお店が悪いとは思わない。たまにこういう変なルアーとの、思わぬ出会いがあるからお店は楽しいのだ。
皆さんも、もし見つけたら、是非お試しあれ(笑)
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