爆釣への最短距離!? 直感を信じるべき理由がここにある!

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第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい

マルコム・グラッドウェル  (著)、1620円
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Golyoko評

米国カリフォルニア州にあるJ・P・ゲッティ美術館が、あるある美術商から購入したギリシャ彫刻についての疑惑に関する騒動から本書は始まる。

J・P・ゲッティ美術館は、かなりの高額で、このギリシャ彫刻を購入してしまったのだが、その後、この彫刻に対して、ある専門家が、贋作ではないかと言い始めた。その専門家は、理由は自分でもよく分からなかったが、一目見て「なんとなくおかしい」と感じたのである。

また、ある消防士は、火災の現場で「何かおかしい」と直感的に感じた。そして、その”勘”は正しかった。

以下、本書からの抜粋。


論理的な問題なら、説明を求めても答えを出す能力は損なわれない。それが役に立つことさえある。だが瞬時の洞察力を要する問題だとそうはいかない。
「スポーツの世界では、分析していたら運動能力が麻痺するという。考えていたら体が動かない。流れが失われるのだ。そこは流動的で直感的で言葉にできない、微妙な部分があるのだ」とスクーラーは言う。


また、ポール・エクマンとウォーレス・フリーマンという2人の科学者は、顔の表情筋の動きを細かなモジュールに分割し、その組み合わせによって表情から人の本当の心を読み取る「アクションユニット」というマインドリーディングの手法を編み出した。

私たちは普段、明確に意識はしていないが、実は、相手が自分に好意を持っているかどうかや、同意の意思を持っているか等の判断を
相手の表情を見ながら判断しており、その精度は極めて高い事が知られているのだ。

本書の言葉を使うと「状況を”輪切り”にして瞬時に認識する能力」だ。

この「輪切り」とは「さまざまな状況や行動のパターンを、ごく断片的な観察から読み取って瞬間的かつ無意識のうちに認識する能力」であると本書は述べており、この「輪切り」にする能力についての考察が、本書全体の一貫したテーマだ。

本書は「無意識の判断の事例とその正確性と理由、無意識の判断の訓練法」についての本である。

この本の原題は『blink』。副題は「The Power of Thinking Without Thinking」。

「blink」の意味は「またたき、一瞬、きらめき」だ。副題は日本語で言うと「考えない思考力」で、本書の趣旨を加味すると「無意識の力」という感じだろうか。

以下、本書の目次を記載しておく。


第1章 「輪切り」の力ーちょっとの情報で本質をつかむ

第2章 無意識の扉の奥ー理由はわからない。でも「感じる」

第3章 見た目の罠ー第一印象は経験と環境から生まれる

第4章 瞬時の判断力ー論理的思考が洞察力を損なう

第5章 プロの勘と大衆の反応ー無意識の選択は説明できない

第6章 心を読む力ー無意識を訓練する


更に、参考までに、以下、本書の文からの抜粋を挙げておく。


◎「無意識という巨大な体内コンピュータは、私たちが体験したこと、会った人、学んだ教訓、読んだ本、見た映画などから得たあらゆるデータを黙々と処理して意見を形づくる」

◎「実は余計な情報はただ無用なだけでなく、有害でもある。問題をややこしくするからだ」

◎「まず、正しく判断するには熟考と直観的な思考のバランスが必要(だが)・・・優れた判断には情報の節約が欠かせない・・・瞬時の判断を瞬時に下せるのは、情報が少ないからだ。瞬時の判断を邪魔したくなければ、情報を減らすことだ」


ゲッティ美術館が買ったギリシャ彫刻は結局贋作だった。

そして、偽物と見破った専門家は、長年の経験の蓄積により、直感の質が高度なレベルに高められていたのだ。この彫刻を偽物と見破った専門家は二人いたが、この2人について本書は以下のように述べている。

「二人とも彫像の外見に関するほかのさまざまな事柄は無視して、知りたいことをすべて教えてくれる特徴に注目した。」

釣りの世界でも、爆釣の夢に向けて、いろいろな雑誌を読んだり、サイトを回遊してより多くの情報を集めたり、仲間の釣果情報を聞きまくったりしている「モノ知り」の方は多い。

しかし、本書はこう言っている。

「(情報をいくら集めても)すべてわかることなどありえない」。

また、情報は多くなるほど、結論が出るまでに時間がかかる。いろいろな爆釣情報やボウズ情報に埋もれて、結局どうしたらいいのか分からなくなった経験のある方も多いだろう。

ルアーの情報についてもそうだ。

廃版や新発売のルアーの情報を、たくさん持てば持つほど、現場での瞬時の判断はしにくくなるのである。

しかし「直感力」は養うこともできる。

その答えのヒントを知りたい方は、本書を、ご一読してみてはいかがだろうか。


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また、本書の要約について、こんな動画もYouTubeにアップされているので、ご参考にどうぞ。

本書の要約動画

また、この下に、皆さんの評価や口コミも投稿できるようにしてありますので、この本をお読みになられた方は、ご自身のレビューも是非投稿してください。

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