この記事は「ゴルゴ横山と行く爆釣ポイント開拓の旅 爆釣ドリームツアー」コーナーの記事です。
~ポイントに入るなり、いきなりバイト!新年初の70UPゲット!!(実釣取材動画あり)~
今年の初取材は、前回の記事にも書いたとおり、痛恨のボウズという結果に終わったため、今回は外せない取材でもあった。プライベートの釣りならともかく、取材で2回連続ボウズは精神衛生上宜しくない。
しかし今回は、不運にも史上最強寒波の襲来で、気温、表層水温は急降下で、陸っぱりからのスズキ狙いは、相当考えないとカスリもしない可能性大な状況だったのだが、なんと!!ポイントに入るなりいきなりバイトがあり、すぐにデブデブのBiGワンが釣れてしまった💦
年末ジャンボならぬ、年始のドリーム宝くじに当たったという感じで、まさにこの「爆釣ドリームツアー」らしい取材となった。これだから、釣りはやめられない。
追い詰められたフィッシングライターの研ぎ澄まされた勘が、極寒の地に奇跡を呼び寄せたのだろうか?私としては、自身のポイント選択眼の勝利だと信じたいのだが、、、💦
⬛昨年の晩秋~冬は各地でスズキ祭りが多発!!
過去に何度もここで書いているが、私自身は産卵前乗っ込みのスズキの群れを追っかける場合、水温に着目して釣行エリアを選択することが多く、実際そのやり方である程度の実績を出している。
毎年、異常高水温となっている日本の沿岸部だが、東京湾もご多分に漏れず、2020年も高水温となっていた為か、年末11-12月は、東京湾内に大量のコノシロやイワシの群れが襲来し、場所によっては年が明けても居座っていた。
当ホームページでも、コノシロに付いたデカスズキGETの実釣動画を含む記事を掲載した。
★出たぁ~!90UPモンスターシーバスゲット!!涙の新規ポイント開拓の旅:詳細情報編(90UPモンスターランカー激釣フル動画も掲載!)
他にも、昨年はコノシロに付いたスズキの群れは多摩川河口で大フィーバーをもたらし、巨大なビッグベイトルアーを、ボッコンボッコン投げ込んで入れ食いになるという、夢のような日が連日続き、千葉の幕張エリアには大量のイワシの群れが入り込み、年末年始もスズキ祭りが続き、各地で70-80クラスのスズキ大爆釣の報告が相次いでいた。
関東エリアでは、真冬の厳寒期におけるイワシの群れというと、私のイメージでは南房総や三浦半島、西湘、鹿島エリアというイメージなのだが、東京湾奥エリア近くまでイワシの群れが入り込むというのは、例年に無い現象と言っていいのではなかろうか。
⬛では、厳寒期の1月はどうする!?
「1月」この月は、私的には1年で最もスズキの群れを見つけにくい時期の1つとなっている。どうしてかというと「1月」は、関東圏においては、産卵前の ” 乗っ込み個体 ” と、産卵後の ” 戻り個体 ” が混在する時期だからだ。皆さんの地元ではどうだろうか?
東京湾奥がホームエリアの方にとっては、1月は「戻りスズキ」の時期であり、産卵前の ” 乗っ込み個体 ” を本気で狙う方などほぼ居ないと思うのだが、南房総や三浦半島等の高水温エリアでは、毎年普通に1月に産卵前の ” 乗っ込み個体 ” も釣れている。
ということで「1月」にスズキを釣るための戦略としては大きく2つに分かれる。
1.産卵前の ” 乗っ込み個体 ” を狙う→産卵適水温に近い水温エリアにある岩礁帯 or 根交りサーフを狙う ※但し、イワシ、コノシロ等の神出鬼没のベイトの群れが襲来している場所を知っている場合は、それを狙うのも可。上記の2つは、その様な情報を入手していない場合の話(私の場合、そのケースが多い(笑))。
2.産卵後の ” 戻り個体 ” を狙う→水温は無視してバチ抜けがよく起こる泥底汽水域を狙う
但し、上記の2つの戦略は、あくまで陸っぱりやウェーディング等の「自分の足で行ける(比較的岸に近い)ポイント」を前提にした話で、船・ボートでの釣りは別の話しになるのでご注意を。
とはいえ「1月」は、まだバチ抜けの初期の時期であり、どこでもバチ抜けが起こっている訳では無いので、当たり外れが大きく釣果が安定せず、釣れてもそれほど派手な釣れ方はしないし、引きも弱いので、やはり釣り師としては、産卵前の ” 乗っ込み個体 ” の方がロマンを感じる。
ということで、今回は気温「ー4度」という関東エリアとしては記録的な寒さとなった1月11日に、産卵前の ” 乗っ込み個体 ” を探す旅に出ることとした。
1月の厳寒期に、産卵前の ” 乗っ込み個体 ” を探す場合、私が重視するポイントは以下の3つだ。
①温かい水温域の中
②産卵場所と言われる深場(水深50メートルライン)が接近している場所
③岩礁域又は根交じりサーフ
①「温かい水温域」とは、どの程度温かければいいの???
①の「温かい水温域」とは、どの程度温かければいいのかについては、私自身はエリア差が結構あると考えている。というのも、スズキの産卵水温はエリア差が結構大きいからだ。
ちなみに、スズキの卵は浮遊性なので、産卵後は卵は水中をフラフラと漂っているため、目の細かい網等で採取出来るので、卵が採取できる時期になると「あぁ、最近スズキは産卵したのだなぁ」と推測する事が出来る。
ということで、水産庁のホームページに公開されている「主要対象生物の発育段階の生態的知見の収集・整理 」から、スズキの卵が出現する水温を見てみると、
- 東京湾:10.4~21.9℃(盛期 14~20℃)
- 紀伊水道北部:10~18.2℃(盛期 12~17℃)
- 紀伊水道南部:14.3~27.6℃(盛期 14~20℃)
- 栽培孵化水温:12~20℃で正常発生(←や実験室での孵化水温のこと)
上記の水温は、厳密には「産卵水温」ではないが、かなり産卵水温に近い水温と思っていいだろう。これらを見ると、少なくとも水温が10度以下のエリアが産卵場所になる事は考えにくい。ザックリ言うと1月においては「かなり温かい水温域」を狙わないと、産卵前の乗っ込み個体の群れには遭遇出来ないだろう。
各地におけるスズキの産卵に関する情報のまとめ(産卵期、産卵場所、産卵水温)
ちなみに、今回の取材当日の東京湾の表層水温分布は下図のようになっていた。貴方なら、どのエリアへ足を運ぶだろうか?ヒントは、下にリンクを張った過去の記事にある。
関東エリアにおけるこの時期の産卵回遊のスズキの群れの追い方については、下記の記事でかなり詳しく解説しているので、そちらをご参照いただければと思う。
★11-12月の爆釣ポイント発見のコツ:スズキの産卵回遊と水温の関係~●度の水温帯を追い回せ!!~
★12-2月の真冬のスズキの群れの追いかけ方(産卵~バチ抜け期)
(※出典:神奈川県水産技術センター 海況図データベース)
②なぜ「深場」が近いといいの???
先ほどご紹介した水産庁のホームページで公開されている「主要対象生物の発育段階の生態的知見の収集・整理 」によると、各地のスズキの産卵場の特徴は次のとおり。
- 仙台湾:岩礁域あるいは岩石がところどころに露出した凸凹が著しい場所で,水深 50~80m 程度の外洋に面した海域。
- 東京湾:比較的外洋水の影響を受ける湾口部。
- 大阪湾:比較的外洋水の影響を受ける湾口部。
- 若狭湾:外湾の外海に面した湾口部,急深な岩礁性の沿岸部
- 紀伊水道:沿岸部の深所
- 有明海:湾口部
ここで、注目して頂きたいのは、仙台湾の産卵場所に「水深50-80m」と書かてれいる点。ここには書かれていないが、東京湾では経験的に50mライン付近と言われているので「水深50m」というのは、指標の一つになるだろう。
ただ、人間のキャスト能力では、普通水深50mの沖まで、岸からルアーを届かせるのは不可能なので、陸っぱりの釣りにおいては、単純に「50mライン」が岸近くに接近しているエリアというのが、産卵終盤期に乗っ込み個体が居る確率が最も高いエリアということになるだろう。
ちなみに、私の過去の実績に基づく、千葉県内房エリアにおける、産卵前乗っ込み個体狙いのハイシーズンは、下図のように大きくは3つのエリア&時期に分かれる。産卵期終盤になるほど「40-50mライン(紫色のライン)」が近いエリアに移動してきている事が見て取れるだろう。
このマップは、大まかな動きを示したもので、イワシやコノシロ等のベイトの動向によって、突如としてシーバス祭りとなるエリアが出現することもあるので、あくまで参考レベルの資料であるが、そういうイレギュラーな話を抜きにすると、個人的にはかなり例年のスズキの動きを現わしていると考えており、私自身、実際にその通りスズキを釣ってきている。
また、下図では「2月以降」のハイシーズンエリアを書いていないが、2月になると盤津エリアの小櫃川、養老川、ド湾奥の葛西臨海公園ななんかでもバチ抜けがハイシーズンになってくるので、そちらも狙い目になってくるので、2月はバチ抜け狙いで北に上るか、イワシ狙いで南に下るかの2択となる。
ちなみに、館山湾の汐入川の河口付近では、1-2月にイワシの群れが接岸して、ボッコンボッコンボイルで入れ食いなんてことも何度もあったし(特に、雨後の朝夕のマヅメ時は狙い目)、洲崎エリアの地磯なんかにイワシの群れが接岸して、マル、ヒラ、サバが入り乱れて爆釣なんてこともあった。
ということで私自身は「2月」は大体下図の①~③のエリアには行かずに、それより「北」か「南」のどちらかに向かうことが多い。但し、何度も言うが、イワシやコノシロ等のベイトの動向次第では①~③のエリアが良いこともあるので要注意だ。
また、上記の内容はあくまで「千葉県内房エリア」限定の話で、他のエリアにも良いポイントはあるので、あくまでご参考程度に。
皆さんのエリアでも、仲間と一緒に、海底地形図を使って、こんな感じの大まかなハイシーズンマップを作ってみると、より正確なスズキの群れの動向予測が出来るようになるのではなかろうか。
★選択肢1:袖ヶ浦以北でのバチ抜け狙い
★選択肢2:南無谷以南でのイワシ狙い
(※出典:環境省HP)
③なぜ「岩礁域又は根交じりサーフ」がいいの???
先ほど掲載した水産庁のホームページで公開されている「主要対象生物の発育段階の生態的知見の収集・整理 」からの下記の記述で、もう一つ注目してほしい単語がある。皆さん分かるだろうか?
- 仙台湾:岩礁域あるいは岩石がところどころに露出した凸凹が著しい場所で,水深 50~80m 程度の外洋に面した海域。
- 東京湾:比較的外洋水の影響を受ける湾口部。
- 大阪湾:比較的外洋水の影響を受ける湾口部。
- 若狭湾:外湾の外海に面した湾口部,急深な岩礁性の沿岸部
- 紀伊水道:沿岸部の深所
- 有明海:湾口部
注目して頂きたいのは仙台湾の「岩礁域あるいは岩石がところどころに露出した凸凹が著しい場所」と、若狭湾の「外湾の外海に面した湾口部,急深な岩礁性の沿岸部」という記載だ。どちらにも「岩礁」という単語が入っている。
実は、東京湾でも漁師の方々の間で、スズキの産卵場と言われている場所は「岩礁域(又は岩礁交じりの砂底)」だ。大体、地質学的にも「湾口」というのは岩礁域が多くなるので、私的にはスズキの産卵場所が「岩礁」絡みの場所であることは、ほぼ間違いないと考えている。
ということで、産卵前の乗っ込み個体の群れは、関東エリアの産卵終期の「1月」には「岩礁絡みの場所」に居る確率が高く、逆に言うと、そうでない場所では「産卵前の乗っ込み個体」はほとんど居ないし、釣れないと考えていいだろう。
以上より、1月の厳寒期に産卵前の ” 乗っ込み個体 ” を探すには、
①温かい水温域
②深場(水深50メートルライン)が接近している場所
③岩礁域又は根交じりサーフ
の3要素が重要となることが分かるだろう。
そして、今回の取材では、下に掲載した動画のとおり、上記の3つの条件が揃ったポイントで、実際に抱卵しているデブデブ個体を釣ることに成功した。
例年、私自身は上記の考えで実績が出せているので、私にとって上記の話は、もはや「仮説」ではなく、再現性のある「法則」と言ってもいいくらい確信している。皆さんの過去の実績ではどうだろう?
⬛今回の開拓チャレンジエリア
ということで、今回の爆釣ドリームツアーの開拓チャレンジエリアは、先ほど掲載した海底地形図(下図)の「③金谷~南無谷」のエリアだ!
このエリアは仮にハイシーズンでも、湾奥のハイシーズンのようにバカスカとスズキが釣れるエリアでは無い事に加え、産卵終盤期の「1月」に、産卵前の乗っ込み個体を狙いに行くこと自体リスキーだと思うのだが、そこに更に「新規ポイント開拓」(過去行ったことが無いポイント)という3つのリスク条件を被せて1発大物を狙うところが、ハイリスクハイリターンのギャンブルフィッシングの醍醐味ともいえよう(笑)
⬛今回釣れたスポットはズバリここだ!!