今回の記事は「The Truth of Seabassザ・トゥルース・オブ・シーバス」コーナーの記事で、「TRUTH40バチ抜け期の『口外フッキング』への対応ーその2:マイクロスリップ」の続編です。
さて、今回もいつものごとく前回の記事の最後の部分を再掲しておこう。
・・・ここに、スズキの「理由なきバチ選択」のメカニズムが潜んでいると私は考えたのである。さて、どんなメカニズムだろう?皆さんも、コーヒーを作りながら考えてみて欲しい。更に、そこから私がここのところよく記事で書いている「バチ抜けパターンでは、口の外へのフッキングが異常に多くなる」ことの理由や「バチ抜け期のミスバイトへの対処法」も見えてくる。 次回は、その点について解説することにしよう。
ということで、今回はいよいよ本格的に釣りの話しに突入することにする。ゴルゴの記事は、釣り以外の話しが長いと昔からよく言われるが、それだけ難しいテーマに挑戦しているということでご容赦頂ければと思う。
釣りに関する過去の経験則や定石だけで簡単に解決出来るような話なら、とっくに誰かが解決しているだろう。このコーナーは、まだ誰も解決出来ていない難題に挑戦するコーナーでもある。
スズキが、周りにウジャウジャ居るバチを捕食するメカニズムを解明するには「理由なき選択」を生物が行う時の行動原理を理解せずしてそれを説明するのは不可能では無いかと私自身は考えている。
突然だが、皆さんの中には、チョコレートが大好きな方は居るだろうか?
そんなチョコレート好きの方の目の前の床に、下の画像のチロルチョコが1000個ウジャウジャと転がっている状況で、その中から1個だけ食べて良いと言われたら、そのチョコレート好きの方は、1000個の同じチロルチョコから1つだけを選択するのに苦労するだろうか?
いや多分、深く考えることなく、いとも簡単に、適当に1つだけ手に取り食べてしまうだろう。この「深く考えることも無く・・・適当に・・・」という選択こそ、まさに「理由なき選択」だ。
実際、人間以外の生物もそういう選択をしょっちゅう行っているのだ。しかし、生物はそんな「理由なき選択」をどうやって行っているのだろうか?
これこそ、周りにウジャウジャうごめいているバチを捕食しているスズキの捕食メカニズムではないかと考えるのは、それほどバカげた考えでは無いのではなかろうか。
そんな事もあり、前回、前々回は、長々とその「理由なき選択」の実例と、その行動メカニズムを解明した研究結果について解説したのである。
では、いよいよここから、その「スズキのバチ選択のメカニズム」に話を移してゆくことにしよう。