今年の異常な夏パターンと台風後の攻め方

 

 

 

 

ここのところ、私の住んでいる関東地方では、毎日危険レベルの暑さが続いているが、皆さんのお住いの地域はどうだろう。今シーズンの6月以降、私はプライベート釣行を含め「茨城県涸沼川~千葉、東京~西伊豆那賀川」までの河川を攻めてきたが、何故か「東京・千葉」以北のエリアの川の調子が悪いように思う。

これが単に、私の「腕」の問題ならいいのだが、それにしても釣れなさ過ぎるのだ。単純に考えると、今年の猛暑の影響がすぐに頭に浮かぶが、この猛暑の影響はどの程度あるのだろうか?「東京・千葉」以南のエリアにも厳しいエリアがあるのではないだろうか?

また、この記事を執筆している今、関東地方には台風が接近してきている。台風が近づいてくる時というのは、得てして涼しい風が吹いてきて、気温が下がる。それによってスズキの行動はどう変わるのだろうか?

今回は、そのことについて考えてみたい。


■例年の夏パターン

例年、夏になると多くのスズキが川を遡上し、堰さえ無ければ、一見渓流にも見えるような相当な上流域にも姿を現す。いわゆる「夏のリバーシーバスパターン」というやつだ。

ここで、何故スズキが夏に川を遡上するのかというと、河川内の餌生物の多さと、沿岸の浅海域の高温・貧酸素の水への忌避行動の2つがよく理由として挙げられる。この点については、私自身は確かな研究結果を見たことが無いので、あくまで仮説レベルの話だが、経験的にはそれほど大外れな仮説ではないと思っている。

ちなみに、以前雑誌でも書いたが、スズキは水温が上昇してくると、ホルモン分泌に変化が出始め、低塩分濃度への耐性が増すことが知られている。つまり、夏になり水温が上昇してくると、スズキはより塩分濃度が低い淡水域にも遡上出来るように、体内のホルモンが変化するのだ。

例年、夏に海や川でよくウェーディングしている方なら体感していると思うが、夏の陸っぱりポイントの近くの浅い海域では「海が熱く、川が冷たい」ということが多い。東京湾のウェーディングが出来るような水深のポイントの海面水温などは、しょっちゅう30度を越える。潮が止まっている時間帯などは、海水に手を入れるとお湯みたいな水温の場所さえある。

一方、川でウェーディングしていると、そこまで水が熱いと感じるケースは少ない。川は、潮の動きとは関係なく、常に上流から冷たい水が流れてきて、水が交換されていくからだ。しかし、それはもしかしたら過去の話になるかもしれない。。。今年は、全てが異常なのだ。以下、その点について詳しく解説してみよう。

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