今回の記事は、先日「The Truth of Seabas ザ・トゥルース・オブ・シーバス」コーナーに掲載した記事「スズキのバイトは定速移行の瞬間に多い!?ーその4:トウイッチの極意」の続きです。ちなみに「The Truth of Seabas ザ・トゥルース・オブ・シーバス」コーナーに掲載されている記事は雑誌等のメディアには出ていない偏執的なスズキ釣りに関する研究ネタばかりですので、まだ未読記事がある方は是非ご覧くださいませ。
■今回のテーマは「U字メソッド」
前回は、スズキの「バイトの3法則」を活用して、トウイッチのようなアクションで、アタックとバイトの両方を誘発する場合の具体的なメソッドについて解説した。今回は、河川のような「流れのある場所」での「U字メソッド」について解説する。
ちなみに、当サイトには他にも「U字メソッド」に関する記事があるので、ご興味ある方は、下記の記事も是非ご覧を。
ツアー11:大スクープ!ランカー&入れ食い爆釣ポイント発見!!「港湾部ウェーディングポイント開拓」~いきなりランカーゲット!&爆釣証拠動画満載!!~
《U字メソッド概念図》
「U字メソッド」については、過去多くの記事が書かれてきたが、その多くは「U字の曲がり角でバイトが多くなる」という話しだ。当然、このサイトではそんな誰でも知っている話では終わらせるつもりは無い。
今回の解説をお読み頂けると「何故U字メソッドが釣れるのか」だけでなく「川の流れの形や水底地形によって、最もバイト確率の高いスポットが変化すること」が理解できるだろう。
それでは、早速GO!!
■釣り場の「流れ」について
釣り場には、様々な「水の流れ」がある。川に限らず、どんな場所でも、水の流れは「岸」「水底」「大気」の3つと接していて、それぞれから「摩擦抵抗」を受けている。
特に「大気」との摩擦についてはイメージしにくいので、無視出来るのでは無いかという方も居るかもしれないが、それは誤り。例えば、釣り人はよく風が吹いて水面が波立ってくると「風波が立ってきた」という言い方をするが、何故風波が立つかというと、水面と大気に摩擦抵抗があるためだ。私達釣り人は、無意識のうちに、大気と水面の摩擦抵抗を意識しているのである。
従って、水面近くは大気との摩擦抵抗により、水面下よりも流れが少し遅くなっている。要するに、水面よりも水面下の方が流れが速いのである。
また「水底」や「岸」でも、水は摩擦抵抗を受けているので「水底」や「岸」に近づくにつれ、流れは遅くなる。その様子を模式図にしてみたのが、下の図1だ。
《図1》
上の図1の模式図は、河川内に限らず、流れのある場所では、どこでも成り立つ事なので、頭に入れておくと、水中の流れの様子がイメージしやすくなる。また、この流れを真上から見た時の、流れの速さの分布を模式図にしてみると、下記の図2のような感じになる。
《図2》
何故「中央部」の流れが速くなるのかというと、図1を見ると中央部の水面直下の流れが速くなっているので、その流れに引っ張られて、その上の水面の流れも少し速くなるのである。要するに、岸近くは流れが遅く、流心に近づくほど流れが速くなっている。まぁ、これはそんなメカニズムなど知らなくても、何となく体感している方が多いだろう。
■流れの中での「FIRSTバイトポイント」
当サイトでは「スズキのバイトは定速移行の瞬間に多い!?」と題して「ルアーの速度推移グラフ」を用いて、過去4回に渡って、スズキがルアーに食いついてくる「バイトポイント」について詳しく解説してきた。