最近 はシーバスで使うメインラインはPEが主流になってきていることもあり、同じ強さでも細いラインを使うことが出来るようになってきたため、短いロッドでも、結構飛距離は稼げるようになってきた。
そんな中、バス釣りメインにやっているという方から「足場の高い場所や、極端に遠投を必要としない場合を除き、バスでよく使う6~7ftのロッドで十分だと思うのだが、シーバサーは8ft以上を使 う者が多いのは何故なのか?それは合理性というよりも、シーバサー独自の文化なのか?」という質問を頂いたので、それに対する個人的見解を書かせていただこう。
まず、結論から言うと、文化もあるが、一応合理的理由もあるのではないかと思う。
以下は、あくまで個人的見解だが、まず文化的側面から述べると、シーバサーの中には、バス釣りから来た方と、それ以外の海や湖沼・川での餌釣りから来た方の、大きく2種類の方がいるのではなかろうか。で、餌釣りから来た方はシーバスをやる前は、結構長い竿を使う頻度が高かったのではないだろうか。渓流でイワナやヤマメを狙うような釣りでは、相当短い竿を使う場合もあるが、そのような釣り自体かなりマニアックな釣りで、人口はそれほど多くないと思うので、やはり多いのは、海での投げ釣りや、磯・堤防釣り、川や湖沼でアユ、鮒・鯉・ニジマス等を狙う様な釣りで、それらの釣りで使う竿は、得てして長いものが多い。そんな釣りに慣れている方からすると、6~7ftの竿というのは、極度に短い竿というイメージになり、違和感を感じる長さとなるだろう。8ftというのは、その違和感を感じるギリギリの境目なのかもしれない。それが、文化的側面。
一方、シーバスは比較的どこにでも居る魚で、都市部の運河・小河川等で岸際や、船や橋脚、杭、係留ロープ等のストラクチャがらみの至近距離の狭いスポットから、外洋に面しただだっ広い砂浜や磯なんかにも居る魚。
都市部の運河や小河川なんかの足場低い場所から、至近距離にある杭の際(きわ)を狙う場合、8ft以上の竿なんか使ったら、やりにくくて仕方がない。そういう場所をメインに活動しているアングラーの方は、6-7ftくらいの竿をメインに使っている方も居る。私の場合、湾奥の小場所を攻める時は、7ftをよく使う。7ftクラスの竿は、取り回しがし易いので、干潟等でのディープなウェーディングでも意外と使いやすい場合も多い。
また、サーフや磯なんかの大場所では、9ftクラス以上が欲しくなることが多くなる。ということで、場所によって竿を使い分けるのが理想だが、サラリーマンたるもの、月々のおこずかいにも限りがあるし、何本もの竿を持ち運ぶのも面倒なので、出来れば1本で出来るだけ広い範囲をカバーしたくなる。そういう方にとって8-9ftクラスというのは絶妙な頃合いなのだろう。とにかく1本で何でもこなしたいというのであれば、個人的には8ftクラス半ば~後半クラスをお勧めする。1本で何でもこなすというのは、理想ではないが、現実的な選択ともいえる。
自分が普段よく行くポイントを中心に考え、他にどんな釣り場にも行く可能性があるか。それは、人それぞれだし、地域によっても異なるので、自分の釣行スタイルに合わせて平均を取るといいだろう。関西以西では、9ftクラスをメインにする方が多いという話を聞いたこともある。私の取材記事を読んでいた方は、私は8ft後半~10ftクラスの竿を使用している頻度が多いように見えたと思うが、プライベートで湾奥のポイントに行くときは短い竿を使うことが多い。
ということで、竿の長さは釣り場次第。多分、湾奥系の都市部を中心に活動しているアングラーの方は7ftクラスの竿を使っている方も多いと思う。逆に、駿河湾のサーフを中心に活動している様な方は、9ft以上がメインだろう。ということで8ft以上を使う方が多いように見えるのは「シーバス独自の文化」という側面も無くはないが、「そのエリアの特性」だと思う。「文化」というよりも「必要に迫られたニーズ」という方が正解かもしれない。
ただ、1本で何でもこなすというのは、確かに現実的な選択という側面もあるが、おこずかい的に可能なら、個人的にはやはり、理想を追求した方が、よりディープにスズキ釣りを楽しめると思う。事前に周到な計画を立てて、
「今日はこのポイントで、この時間帯に、この釣具を使ってスズキを釣る。釣れるスズキのサイズは過去の平均を取ると53㎝の確率が最も高い。今日は、そこでの定石を外した戦略で60㎝以上を狙う」
と宣言し、例え偶然でも、本当に60㎝のスズキが釣れてしまったら、それは至高の喜びだ。そういう遊びを本気で追求するなら、道具の使い分けは必須となる。
手前味噌で恐縮至極だが、私がプロデュースした愛竿「プレジール アンサー」の解説もご参考頂ければ嬉しい。相当な、マニアックかつハイクオリティロッドだと自負している。シーバス人生でこれを触らずに終わるのは勿体ない。いや、それは言い過ぎか・・・。少なくとも、この竿の存在を知っておく価値は絶対にあると思う。詳しくは下記のリンクをクリック!