ツアー67:最後の最後にBIGシーバスヒットのドラマが!!伊豆河川の増水に関する特徴 ~時合には2種類あるのをご存じですか?~

この記事は★「ゴルゴ横山と行く爆釣ポイント開拓の旅 爆釣ドリームツアー」コーナーの記事です。

爆釣ドリームツアー

(※画像出典:気象庁「tenki.jp」)


⬛はじめに

今回は、この前に日本列島をかすめて行った「台風15号」の通過直後の取材報告と「時合」に関して、意外と見落としがちな点について解説したいと思う。

また、今回は記事掲載にかなり時間が掛かってしまった事をお詫び申し上げます。実は、この記事は今月上旬には8割がた完成していたのだが、次回の記事の取材で訪れたポイントでスマホを水中に落下させ紛失してしまい、いろいろな手続きで時間を取られた事や、急な仕事が舞い込んだり、私自身が体調を崩してしまったり・・・と、色々な災難が重なり、記事の完成に時間がかかってしまったのだった。。。

特に、今回はスマホの紛失時に、スマホケースに入れていたカードや身分証明書類も一緒になくしてしまい、それらの再発行にかなり時間がかかってしまったのが痛かった。やはり釣行時は、スマホには落下防止のストラップを付けるべきだと痛感した。皆さんもお気をつけアレ。記事掲載が遅くなった罪滅びしに、今回は少々盛り沢山の内容にしたので、お許し下さいませ💦

ここで話を元に戻すと「台風」には、色々な種類があるのだが、ザックリ分けると、広いエリアに豪雨をもたらすものと、狭いエリアに豪雨をもたらすものがある。記事掲載が遅れてしまったので台風シーズンからは少々ズレてしまったが、最近は12月にも台風が来た年もあるので、油断は禁物だ。

(※出典:ウェザーニューズ

前回の「台風15号」は後者の台風で、狭いエリアに豪雨をもたらすタイプのもので、関東エリアに来たときは既に勢力はかなり弱まっていて、雨自体は広いエリアで降っていたのだが「豪雨」と言えるほどの降雨量があったのはごく一部のエリアとなっていた。

雨後の増水を狙うアングラーにとっては、この手の台風は結構やっかいな台風で、たとえ雨が降っていたとしても、しっかり降雨量を確認してから釣り場に行かないと「あれっ?台風が直撃したはずなのに増水してない??」なんて事になるので要注意だ。

最近はネットで、各地の河川の増水状況/水位変化を確認できるようになってきているので、かなり便利になってきたが、同じ河川内の同じ水位の場所でも、場所/地形によって流れの強さ等は結構異なるので「どの程度の水位になったら現場はどんな状況になるのか」は、実際に雨後の現場を何度も見ない限り分からない。

特に、今回の「台風15号」のような、狭いエリアに豪雨をもたらすタイプの台風は、車でちょっと移動しただけで、河川の状況は全く異なるものになる為、更にやっかいで、私のように遠方から何時間もかけて訪れる釣り師にとっては、その手の台風直後の増水を狙うのは、かなりリスキーなポイント選択ともいえる。

しかし、下記の2つの記事でも書いたが、このコーナーは「皆さんが自分で確認するにはハイリスク」なポイント情報やポイント開拓を行うコーナーなので、今回のような難しい台風が通過した時は、取材をしないわけには行かない。

★ブラックバスの超人気エリアでシーバス爆釣ポイント開拓に挑戦! ボコボコボイルスポットが・・・BIGリバーシーバス捕獲の最有力ポイント発見か!?

★台風後のリバーシーバス再開に向け、台風直前に新規ポイント開拓!!利根川水系でいきなり入れ食いに遭遇!!

・・・という訳で、今回は「台風15号」が通過した次の日に急遽伊豆半島を1周して来た。さて、どんな状況だったのだろうか???


⬛台風通過の次の日の伊豆河川の様子(大川川、河津川、青野川)

この日は、東伊豆側からみ南伊豆を通り、西伊豆側に抜けるコースで、伊豆半島の幾つかの河川の増水状況を見てきた。とりあえず、動画撮影をした3つの河川の河口の状況を書いてみようと思う。

これらの3河川の河口は、シーバスポイントとしても、過去に多くの実績がある河川で、私自身何度もランカークラスのヒラスズキ・マルスズキをゲットしている超実績ポイントだ。

《大川川》 ※「伊東大川」では無いのでご注意を。大川温泉の「大川川(おおかわがわ)」です。

今回は、私が河口の状況を撮影した時に歩いた軌跡(水色の太い線)も掲載しておこう。この軌跡は、ビデオカメラに内蔵されているGPS機能で記録されたもので「足跡」みたいなものだ。私が河口のどの辺りを歩いて、どこから撮影したのかがよく分かるだろう。

《撮影時の軌跡》(出典:Google Earth Pro)


この日の大川川は、私が見た感じでは、大増水という程では無かったが「まぁまぁ増水している」状況だった。このポイントは、ド河口周辺も実績はあるのだが、私自身は、河口の海に向かって右側から海岸に出て川を渡った所に、いい感じの地形変化があり、その辺りでの実績が最も多く、その辺りがお気に入りポイントなのだが「川を渡るのが危険な程増水している時」は、お気に入りのポイントに入れないので、この位の増水具合の時が一番好きで実績も多い。

ちなみに数ある伊豆半島の河川の中でも、大川川は小規模の河川であり、シーバスポイントとしてこの河口を紹介している記事は見たことが無いし、ここでシーバスを釣ったという話も聞いたことが無いが、私自身は何度もここでランカーヒラスズキをゲットしている超実績ポイントだ。このポイントについては、下記の記事でも書いているので、ご興味のある方は、そちらの記事もご参照アレ

★涙のしくじり遠征ツアー!ヒラスズキの超実績ポイント:静岡県東伊豆町「大川川河口」


《河津川》

言わずと知れた雨後のヒラスズキの超有名ポイントだ。下記の撮影場所に無料の駐車スポットがあるので(停められるのは3,4台くらい)、アクセスし易いポイントだ。

ちなみに、私の人生最大のヒラスズキ(96cm)は、台風直後にこの河口で釣った。その時の立ち位置は、対岸側に映っているテトラ堤防上だった。

《撮影時の軌跡》


先ほどの大川川は「まぁまぁ増水している」という感じだったが、こちらの「河津川」は河口周辺の岸に多くのゴミが流れ着いていて「結構増水している」という感じだった。

ただ、私が以前96cmのヒラスズキを釣ったときは、もっと増水していて、河川内にも未だ多くのゴミが流れている状況だったので、下の動画に映っている河口の状況は「増水のピークを過ぎてひと段落しつつある状況」と思って頂ければと思う。

伊豆半島の河川はどこも短い流程で高低差が大きい為、あっという間に海に水が流れ落ちてしまう事もあり「増水のピーク」は短時間で、どんなに大雨が降っても、次の日にはかなり水量は低下している事が大半なので、本気で増水直後を狙うなら「台風が通過している最中」に伊豆半島に突入するくらいの気合が必要になる。。。がオススメはしない。

伊豆半島の河川の増水に関する特徴については、下記の記事でも解説しているので、是非ご覧頂ければと思う。
→★伊豆の「山型河川」河口の様子と注意点&伊豆のヒラスズキ爆釣要注意6河川!!


《青野川》

青野川は、比較的河川規模が大きく、河口の水深も深いので、河口をパッと見ただけでは増水具合が分かりにくいし、河口まで立ち寄っていると、西伊豆側に周って釣りをする時間が少なくなってしまうので、西伊豆側への通り道の近くにある、下記のポイントで増水具合を見てみることにした。

《撮影場所》


この日の青野川の状況は、思いのほか増水しておらず「・・・ん?以外に増水してないなぁ。なんか変だな・・・」という感じだった。むしろ、ほぼ増水しておらず「平常時」と言ってもいいくらいの感じだった。

そろそろ夕マヅメも近くなってていたので、我慢できずにルアーを投げてみることにしたのだが、アタリは無かった。さすがに、この時期に攻めるには上流過ぎたのだろう。ほとんど増水はしていなかったが、この季節の青野川河口なら十分に爆釣の可能性はあっただろう。


ちなみに、このポイントでは夏に結構なサイズの「マゴチ」を釣ったことがある。こんな河川の上流域の堰ポイントでマゴチが釣れるなんて嘘みたいだが、嘘偽り無く本当の話だ。


ちなみに、このすぐ下流側にある橋の辺りは、水深がめちゃくちゃ浅くて、ほとんどのエリアは膝くらいの水深だ。なんだかマゴチをぶら下げている事に凄く違和感を感じる風景だが、こんな場所にもマゴチは入って来るのである。

青野川の河口については、下記の記事でかなり詳しく解説しているので、ご興味ある方はご参考にどうぞ

★雨後のヒラスズキの超実績ポイント「〇〇川河口」完全解説(ビッグッワンヒット動画あり!!)&台風19号による「西〜南伊豆」台風被害状況レポート


⬛「東伊豆」側を抜けていった台風15号

さて、上では「大川川→河津川→青野川」と、東伊豆側を南下しながら、伊豆半島の南端までの河川の様子を見てきたのだが、結果は「大川川はまぁまぁ増水」「河津川は結構増水」「青野川は増水ほぼ無し」という感じだった。

ニュースでは「台風15号」は「伊豆半島を通過」と報道されていたのだが、同じ伊豆半島でも降雨量にかなり差があったと思われたので、後日、台風通過時のアメダスを確認してみると、下記のような感じで、強い雨は「東伊豆」側だけだった。


アメダスの画像だけでは、アバウトな状況しか推測出来ないので、東伊豆に位置する「稲取」と、西伊豆側に位置する「松崎」の実際の降雨量を確認して、東伊豆と西伊豆で実際にどの位降雨量に差があったのかを見てみよう。

(※画像出典:Google Map)


下に掲載したのは、台風通過の瞬間の前後の1時間ごとの降雨量の推移をグラフにしたものだ。もの凄い豪雨は「東伊豆」側だけで、しかも「豪雨」といえる程の雨量は20~22時の「2時間」だけで、すぐに雨はやんでしまった事がわかる。「西伊豆」側は、東伊豆側よりも、多少早くからまとまった雨が降り始めているが、雨量自体は大したことなく ” 普通の雨 ” という感じだ。

「台風が伊豆半島を通過」と報道された時でも、「東伊豆」と「西伊豆」では、これだけの違いがあるのである。ましてや、増水がすぐに落ち着いてしまう伊豆半島の河川の特徴を考えると、台風15通過の「次の日」の「9月25日」の西伊豆側の河川は、もはやほとんど増水していなかったと推測される。

つまり、今回の取材では、私は「東伊豆から河口の様子を見ながら南下して、西伊豆側で実釣取材をして帰る」という計画を立てていたのだが、最悪の計画だったということが分かる。

台風直後の増水を狙うなら、逆から周って「西伊豆から河口の様子を見ながら南下して、東伊豆側で実釣取材をして帰る」のが正解だったのである(一応、でかいシーバスはヒットしたのだが・・・)。あぁぁぁ(涙)


この日のポイントでのゴルゴ横山推奨タックル


今回の取材で使用した竿は、ZENAQ社の「プレジール・アンサーPA89」。ちなみに「プレジール・アンサー」シリーズには、現在「PA75、PA89、PA90、PA93、PA99、PA108、PA80-SOPMOD、PA-B67-SOPMOD」の8種類がある。


「プレジール・アンサー」シリーズに限らず、ZENAQ社のロッドは釣具店・ショップでは販売されておらず、基本、メーカーの公式通販サイトでのみ注文可能なのだが、大体いつも発売するとすぐに売り切れとなっている。

前回の記事に続き、今回も公式通販サイトを覗いてみたが「プレジール・アンサー」シリーズは、相変わらずほぼ全て売り切れ状態になっていた(2022年10月23日16時時点)。別に廃版になっている訳ではないのだが、製造数が絞られているので、もはや幻のロッドという状況になっているかもしれない💦

「プレジール・アンサー」シリーズについては、詳しくは下記のリンクをご参照アレ↓

ゴルゴ横山の「PLAISIR ANSWER プレジール アンサー」解説

★リールは、シマノの「ツインパワー3000(初期モデル)」を使用。
★メインラインは白色のPE1.5号。ショックリーダーはフロロナイロンライン16ポンドを約0.6ヒロ。

・・・ということで、今回は前置きはこのくらいにして、さっそく爆釣ポイントの詳しい解説を書いてみようと思う。


⬛伊豆半島の河川の特徴

伊豆半島の河川の特徴については、下記の記事で詳しく解説しているので、そちらをご参照頂ければと思う

★伊豆の「山型河川」河口の様子と注意点&伊豆のヒラスズキ爆釣要注意6河川!!

一応、上の記事から一部抜粋した文章を再掲しておこう。詳しくは上の記事にて✋

さて、近年、日本には多くの大型台風が襲来するようになってきたが、台風に限らず線状降水帯の停滞等による、豪雨の長期化も発生するようになってきた。

このホームページでは、過去「河川」の種類について、以下のような記事を掲載したことがある。

この記事の以下の続編では、特に「山型河川」では、増水時に河口で爆釣の可能性が高くなると解説した。

しかし、この「山型河川」の「雨後の爆釣」パターンには、1つ重大な注意点がある。

この「山型河川」というのは「増水し易いが、水が引くのも早い」という特徴がある。上記の記事でも解説しているが、「山型河川」の河口の至近距離の背後には山が迫ってきている事が多く、川自体の長さは短く、傾斜が急。

従って、ちょっと雨が降ると、すぐに増水するが、その川の水は、あっという間に海に流れ出してしまうので、水位が下がるのも、他の種類の河川に比べると早いのだ。


⬛「時合」には2種類ある!!

・・・と、ここまでは「伊豆半島の河川の特徴」について解説してきたが、今回は「時合」についても解説しようと思う。私自身は「時合」には大きく分けると2種類あると考えている。

    • ①潮の動きはじめ:下げ鼻、上げ鼻←そこに居るスズキが捕食を開始する瞬間
    • ②潮の動きがMAXになる時間帯:下げ五分、上げ五分←そこに居なかったスズキが捕食目的で入ってくる瞬間

ここで「潮の動きがMAXになる時間帯」が何故「上げ、下げの五分」くらいのタイミングになるのかについて解説しよう。ちなみに「五分」とは「ごふん」ではなく「ごぶ」と読む。例えば「上げ五分」とは「干潮から半分くらいまで潮位が上がってきた時間帯」を指し「下げ五分」とは「満潮から半分くらいまで潮位が下がってきた時間帯」を指す。

この事については「第五管区海上保安本部海洋情報部≫海洋情報部≫海の相談室≫よくあるご質問 - 海の相談室(FAQ)」でも解説されているので、以下その内容を転載しておこう。

潮に近づくと流れは弱まり、やがて止まり、そして下げ潮に転じる。下げ潮の最盛期も満干潮の中間、すなわち平均水面のころである。潮が引ききって干潮になると、流れはやみ、やがて上げ潮に転じる。

岸付近又は海峡等の潮流は、ほぼ一定の方向と、ほぼその反対方向に流れます。海水が一方に流れてから、潮流の速さ(「流速」と言います)は、徐々にその速さを増し極大になり止まり、その後、反対方向へ流れ同じように徐々にその速さを増し極大になり、再び止まります。海岸付近又は海峡等の潮流は、この運動を繰り返しています。

なお、潮流の方向が変わる事を転流(Turn of tidal stream)、 潮流が停止した状態を憩流(Slack water)と言います。

上記の解説では、難しい言葉が多く分かりにくい部分も多いと思うので、下に解説ないようを図示した概念図も掲載しておこう。要するに、海水は押されてもすぐに動く訳ではなく、グッと押されてから動き始めるまでに、少しタイムラグが生じるという事である。

地形によって、どのくらいのタイムラグが生じるのかは変わってくるので一概には言えないが、大体「上げ、下げの五分」前後の時間帯に流速がMAXになるというイメージでいいだろう。

 


⬛取材当日(2022.9.25.)のタイドグラフ

この日は「大潮」で、満潮直後から釣りを始め、釣り終了は下げ7分くらいの時間だった。スズキがヒットしたのは下げ6分くらいの時間帯で、下げ潮が強く動いている時間帯だった。

《この日のタイドグラフ》(※出典:気象庁HP


⬛取材結果

・・・と、ここまでカッコいい事をとくとくと書き連ねてきたのだが、今回の取材は「3時間粘って、最後の最後に来た ” 1発ドカン!! ” で目の前でバラす」という、何とも悔しい結果となった。

その様子は下の動画に収録されているが、動画の後半は、ひたすら私の愚痴動画になっているので、ご興味の無い方は、前半だけご視聴頂ければと思う。トホホ・・・


⬛この日ゴルゴが入ったポイントはズバリここだ!!

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について